政治の究極目標は「将来の世代を含めた一人ひとりの生命などを守ること」であると考えています。そしてその目的を達成するためには「ミクロ」「マクロ」、「過去」「未来」、「メリット(プラス)」「デメリット(マイナス)」などという複数の視点によって目の前の深刻な問題を相対化することが必要だと考えています。
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あれから4カ月である。気がつくと、もう6月…。
第169通常国会は、論じるに値する意味のある動きがほとんど何も見られないまま、とうとう閉幕してしまった(2008/6/21)。おそらく賢明な読者は、昨年、筆者が「『止める政治』と『つくる政治』」(→参考:2007/9/16号)について論じていたことを覚えていることだろう。通常国会では見事なまでに「止める政治」が目立っていた。単なる「止める政治」ならばきっとサルくんでもよく分かることだろう。筆者が今まであえて「沈黙」を守り続けたことには意味があったのである。
会期末には「ねじれ国会」の下での「新しい儀式」の形が定まったようである。民主など野党側が多数を占める参院本会議で法的拘束力のない福田康夫首相の問責決議が可決された(2008/6/11。首相の問責決議可決は現憲法下で初)。だが、その翌日に自民・公明の与党側が圧倒的多数を占める衆院本会議で憲法69条に基づく福田内閣信任決議が可決された(2008/6/12)。もしかすると野党提出の内閣不信任決議案否決に代わるこの「新しい儀式」をまだ何回かは見ることができるのかもしれない。
あれだけ大騒ぎしていた「ガソリン値下げ」は結局、約1カ月間の「期間限定バーゲンセール」で終わった。参院で多数を占める野党側はガソリンなどの暫定税率の期限切れ(2008/3/31)に追い込んだものの、結局、衆院で与党側が2/3以上の再可決によって暫定税率を復活させた(2008/4/30。憲法59条4項の「みなし否決」。暫定税率は5/1から復活)。
もしかすると「ねじれ国会」の下では、衆参両院の同意が必要な国会同意人事ついては、「止める政治」でも一定の成果を収めることができたと考えることができるのかもしれない。確かに日銀総裁は参院での不同意によって戦後初めて空席になった(2008/3/20-4/9。副総裁に就任(3/19)した白川方明氏が新総裁就任(4/9)まで総裁代行を務めた)。
ちなみに党首討論はたった1回(2008/4/9)しか実現しなかった。
いわゆる「ねじれ国会」の下では、衆院で可決された政府・与党の法案が参院で否決されても、今は与党が2/3以上の議席があるので衆院で「再可決」すれば法律になる。よって与党側としては、いくら野党側が徹底的に「審議拒否」や「物理的抵抗」を繰り返したとしても、とにかく衆院で法案を可決して60日待てば「再可決」して法律にすることができるわけである。
一方の野党側は、参院でいくら法案を可決したとしても、衆院で否決されてしまえばそれでお終いである。野党側は与党側とは違って自分たちの方から積極的に前向きな協議をしていかなければ自分たちの主張を法律という形で実現することはできないのである。どういうわけか野党側はいつまでもそのことに気づこうともしないようである。
民主党が第1党に躍進した参院選(2007/7/29)からもうすぐ1年である。2007年参院選の「直近の民意」などというものもずいぶんと色あせてきた。そして「解散・総選挙は近い」などという声がまだしつこく聞こえてくると、オオカミなんとかという言葉をなんとなく思い出す人たちも多くなってきているのかもしれない。
筆者はまだしばらくの間は「沈黙」を守り続けることにする。あえて「沈黙」を守り続けることにはもちろん意味がある。単なる「止める政治」ならばきっとサルくんでもよく分かることだろう。
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