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 「サル」でも分かる「ねじれ国会」(2008/2/14) (4/6)

 (ほぼ同一内容をメールマガジン版「永田町ワイドショー」として配信予定)

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 政治の究極目標は「将来の世代を含めた一人ひとりの生命などを守ること」であると考えています。そしてその目的を達成するためには「ミクロ」「マクロ」、「過去」「未来」、「メリット(プラス)」「デメリット(マイナス)」などという複数の視点によって目の前の深刻な問題を相対化することが必要だと考えています。

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<2008年> 最近の日本の政治情勢(2008年)について (ほぼ同一内容をメールマガジン版「永田町ワイドショー」として配信予定)


「サル」でも分かる「ねじれ国会」(2008/2/14) (4/6)

「福田色」と「屈折率の高さ」
 
 福田内閣が発足(2007/9/26)してから4カ月以上が経過した。そろそろ福田首相の演説や答弁などにもある種の傾向が見えてきたように筆者は思っている。ここで仮に福田首相の演説や答弁の傾向をまとめて「福田色(カラー)」とでも呼ぶことにしておく。そして筆者は「福田色」の最大の特徴は「屈折率の高さ」にあるのではないかと考えている。
 
 今回の文章で注目した「ねじれ」という言葉を使ってもう少し分かりやすく言い換えれば、福田首相の演説や答弁の中では「否定と肯定がねじれの位置にある」ということになるのかもしれない。比較的分かりやすい具体例を選んだのでまずは「福田色」を実際に味わってもらいたいと思う。「最初は否定するかのような構えを見せながら最後には肯定する」とか「最初は肯定するかのような構えを見せながら最後には否定する」というパターンがあることに注意すると分かりやすくなるかもしれない。
 
 「(前略)…以上、私の施政方針演説に対して、鳩山議員からいただきました評価について私の考えを少し述べさせていただきました。ええ…、言葉が踊るだけでは何も変わりません。政治は行動であり、結果でございます。今後、施政方針演説の中で申し述べました諸施策について、一つひとつ着実に前に進めてまいる所存でありますが、国民のための施策を実現するためにも、鳩山議員をはじめ議員各位のご協力を改めてお願いする次第であります…(後略)」(2008/1/21の衆院本会議での福田首相による民主党の鳩山由紀夫幹事長の質疑への答弁)
 
 「(前略)…まず『今』というときを『過去』と『未来』、どちらの視点から見ているかというお尋ねがございました。来るべき『未来』に備えて今、何をしなければならないかを考える古川議員のご指摘される未来志向の発想…、これは私全く同感でございまして…、私の、あのー、施政方針演説を見ていただければですね、えー、あのー、いかに私の考えが未来志向であるかっていうことはよくお分かりのことだと思います。しかしながらですね、えー、『過去』があってこそ、『今』…、というものがあるわけでございまして、私たちは過去の歴史から多くのものを学ぶことができるわけでございます。『過去』をただ否定することは簡単でありますけれども、『未来』に備えるためにも、『過去』の行いの良い点は何なのか、改善すべきは何なのか、忌憚なく評価して、そしてそこから学ぼうとする姿勢もまた重要であると考えております…(後略)」(2008/1/21の衆院本会議での福田首相による民主党の古川元久代議士の質疑への答弁から)
 
 前者の鳩山幹事長への答弁では「言葉が踊るだけでは何も変わりません。政治は行動であり、結果でございます」と否定するかのような構えを見せた後に「鳩山議員をはじめ議員各位のご協力を改めてお願いする次第であります」と肯定的な表現でまとめている。また後者の具体例では「私全く同感でございまして…(後略)」と肯定する構えを見せた後に結局は「しかしながらですね、えー、『過去』があってこそ、『今』…(後略)」などと否定している。「福田色」と「屈折率の高さ」がなんとなく分かってもらえるだろうか。さらに別の具体例を見ていくことする。
 
 「(前略)…お母さんについてお尋ねがございました。あのー、まあ、たまたま…、群馬県、私の選挙区は上州、空風(→「空っ風」)というようなことで…、空風と同時に、あのー、『かかあ天下』っていったような言葉もございましてですね、そういうようなところから、あのー、お尋ねになったんじゃないのかなと、こう思っておりますけれども、まあ、あのー、『かかあ天下』って別に上州だけじゃないんです。群馬県だけじゃないんです(→議場内笑)。あのー、山がある地域ですね…。群馬県から新潟、そしてまた福井からですね…、山梨もそうですけど、関東にもずっと『かかあ天下』という言葉はあるんです。ですから、あの…、わが県特有のものではありません。ま、しかし、お尋ねでございますんで(笑)、ま、お答えしますけれども、まあ、あの、私も…、私の母とかですね…、妻とか、身近な女性から感じてるところですけど、群馬県はですね、『かかあ天下』ということ…、そういうのは…、だけではないかもしれませんけれど、あのー、女性が芯が強いですね。芯が非常に強い。そして、ま、同時にですね、いざというときに度胸が据わってます今の若い人がそういう…、その気質があるのかどうか分かりませんけれども、まあ、おそらくそうなんだろうというふうに思います。女性の特性なんじゃないかと思います。まあ、そういうような女性は頼りがいある、のでありまして…、私どもですね、あのー、私ども男からすれば、やっぱり女性と男性、お互いに助け合ってより良い社会ができるのではないかなと、ま、こんなふうに思っておりまして、そういう女性を尊重してまいりたいと思っております」(2008/1/22の参院本会議での福田首相による自民党の尾辻秀久参院議員会長への答弁から)
 
 「かかあ天下」は「群馬県だけじゃない」とか「群馬県はですね、『かかあ天下』ということ…、そういうのは…、だけではないかもしれませんけれど…(後略)」などと二重の否定的な前置きをした後に、「女性が芯が強いですね。芯が非常に強い。そして、ま、同時にですね、いざというときに度胸が据わってます」などと「かかあ天下」を肯定的に捉えるような話が続く。さらにその後も「今の若い人がそういう…、その気質があるのかどうか分かりませんけれども」と否定的な前置きが再び出た直後に「まあ、そういうような女性は頼りがいある…(後略)」などと肯定的な話が出てくるのである。この具体例の中の福田首相の答弁は何回も何回も繰り返し「反射」しているようである。なかなかの「屈折率の高さ」だと思われる。
 
 「経営所得安定対策に関する予算規模等を説明せよ、というお求めがございました。政府の政策については、既に提出している予算を計上し、『予算及び財政投融資計画の説明』に詳細が明らかになっておりますので、まずはそちらをご覧いただきたいと思います。その上で、経営所得安定対策の予算を申し上げれば、関連対策を含め、総額2392億円を計上しております。その財源は一般会計のほか、外国産麦の売買等でございます。対策の内容としては、意欲ある担い手や小規模・高齢の農家が参加する集落営農を支援するものとして、生産条件の不備を補正する対策、収入減少の影響を緩和する対策、集落営農の経営改善等を促進する対策等でございまして、農林水産省のホームページに示している通りでございます」「(前略)…議員から『福田ダム』という言葉がございましたけれども、このようなことは私は生まれて初めて伺いました。どこからそういうような言葉を見つけてきたのか…。あまり、あのー、造語はなさらぬようにしていただきたいと思います…(後略)」(以上、2008/1/23の参院本会議での福田首相による民主党の大河原雅子氏への答弁から)
 
 念のために言っておくが、「福田色」などという言葉は筆者の「造語」だから福田首相本人の前では使用することは避けた方が無難である。
 
 さて、この具体例でも最初は「詳細が明らかになっておりますので、まずはそちらをご覧いただきたい」などとあえて説明することを否定するかのようなことを言い、その直後に一転して「その上で、経営所得安定対策の予算を申し上げれば…(後略)」などと説明を始めるが、さらに再び「農林水産省のホームページに示している通り」と説明に否定的な答弁をしているのである。そろそろ「福田色」の「屈折率の高さ」が分かってもらえてきている頃だろう。
 
 繰り返しになるが、筆者は「福田色」の最大の特徴は「屈折率の高さ」にあるのではないかと考えている。あえて言い換えれば、福田首相の演説や答弁の中では「否定と肯定がねじれの位置にある」と筆者は考えている。もしかすると福田首相の「低姿勢」とか「安定感」とか「バランス感覚」が「最初は肯定するかのような構えを見せながら最後には否定する」などというパターンを生み出しているのかもしれない。そして「屈折率の高さ」は福田首相の個性なのかもしれない。だが、福田首相がもう少し「斜に構える」のを控えるようにすればより多くの国民に真意が見えやすくなるのではないかと思っている。
 
 せっかくだからおまけにどうでもいい話も書いておくことにしよう。もしかすると高校の物理などに出てくる「光の全反射」の話を知っている読者ならば、「斜に構える」のを控えるようにすれば真意が見えやすくなるなどという方法は、科学的にも裏付けられた(?)方法ではないかと思うのかもしれない。もっともこんなことを言ってもサルくんには何のことだかさっぱり分からないことだろう。だが、人間である賢明な読者は少し努力をして高校の物理の教科書などを調べたり詳しい人に話を聞いたりすれば筆者の言っていることが何となくは分かるのではないかと思う。何にしても数学や物理とは全く似ても似つかない政治の世界に無理を承知であえて数学や物理のノウハウを適用してみると、驚くほど見通しが良くなって本質が見えやすくなることもあるのである。ちなみに学校の試験などでこんな解き方をしたら0点になってしまうかもしれないから要注意である。
 
 さらにもう一つどうでもいい話もおまけに書いておくことにしよう。先日、女子高生か女子中学生らしき女の子が「なんか総理大臣ってうちの教頭先生に似ていない?」などと言っているのを聞いて思わず笑ってしまった。校長ではなく教頭というところが「屈折率の高さ」をよく表しているように思えて実に面白かった。
 
 以上、どうでもいい話をあえて入れることによって筆者としても誰かの「屈折率の高さ」にささやかな抵抗を示してみたつもりである。
 
******ここから「USO(未確認情報)」******
******ここから「インタビュー」中(もちろんこの部分も「USO(未確認情報)」)******
 まさかのおじさん、こんにちは。
 (Q)最近はおじさんをあまり見なくなったけど、いったいどうしているの? 少し前にバイオエタノール製造工場を視察してたりしたけど、それ以外のときはまた劇場や映画館でサボっているの? 劇場や映画館には一人で行っているの? ねえ、本当に一人? ねえ、まさかのおじさん! (A)………(→沈黙は金?) (Q)そう言えば、おじさんも少し前に「元秘書」が何かでマスコミを騒がせたよね。ねえ、何で騒がせたの? やっぱり「偽メール」事件? (A)それは全然違うよ。でも、サルくんが「元秘書」じゃなくて本当によかったよ。あの政治家に噛み付いたと思ったらすぐに別の政治家に噛み付く…。サルくんは「政治家かじり虫」だね。(Q)ひどいよ! ぼくを「寄生虫」みたいに言って! サルは「寄生虫」みたいに悪いヤツじゃないんだよ! せめて「カメムシ」にしてよ ひどいよ! ひどいよ! (A)まあサルくん、そんなに興奮せずに…。落ち着いて。
******ここまで「インタビュー」中(もちろんこの部分も「USO(未確認情報)」)******
 「寄生虫」も「カメムシ」も同じようなものだと思うが、どうやらかなりの負けず嫌いのサルくんはほんの少しでも「寄生虫」を上回っていたいらしい。
******ここまで「USO(未確認情報)」******
 
「小沢色」
 
 さて、「福田色」の次は「小沢色(カラー)」についても簡単に分析してみたいと思う。あくまでも念のために言っておくが、本会議を欠席して地方選挙の応援にいくようなことだけが「小沢色」ではない。そして実に面白いことに「小沢色」は「福田色」と並べてみると本質が見えやすくなってくるのかもしれないのである。
 
 「このたび党首会談をめぐりまして、国民の皆さま、民主党の支持者の皆さん、党員の皆さん、そして同僚議員の皆さまに多大のご迷惑をおかけしたことをまず心よりお詫びを申し上げます。そして皆さまのご叱正をいただき、2日間、沈思黙考、この体にもう一度むちを入れ、来るべき衆議院の総選挙に私の政治生命の全てを賭け、皆さんと共に全力で戦い抜き、必ず勝利すると決意を致した次第であります。どうぞよろしくお願い致します(→会場内拍手)。もう皆さま、ご承知の通り、私はいまだなお、不器用で口下手な東北気質のままでございます。従いまして、どうしても説明不足になりがちであります。振り返ってみますと、それが今回の混乱の一因になったのではないかと思っております。当初から国民の皆さま、党員・同僚議員の皆さまに、私の思いを打ち明け、丁寧に説明をするべきではなかったかと反省を致しております。本日は、国民の皆さん、党員の皆さん、同僚の議員の皆さんに私の思いを率直に語ろう、そう決心致しましてこの場に参りました…(後略)」(2007/11/7の小沢一郎民主党代表の辞意表明を撤回した両院議員懇談会での発言から)
 
 もしかすると代表を投げ出すのを投げ出した小沢代表はかなり「屈折率」が高い政治家なのかもしれない。「不器用で口下手な東北気質」とは具体的にどういうことを意味しているのかはよく分からないが、一生懸命説明しているつもりでも党内からも党外からもなかなか理解されない小沢代表はやはり「屈折率」が高いのかもしれない。そして実は「誰か」ともかなり似たもの同士なのかもしれない。
 
 「(前略)…私は日本人の力を信じています。日本人は、目前に困難があろうとも、必ずや未来を切り拓く、その力があると確信しています。 『井戸を掘るなら、水が湧くまで掘れ』 明治時代の農村指導者である、石川理紀之助の言葉です。疲弊にあえぐ東北の農村復興にその生涯を捧げた人物です。彼はどんな時も決して諦めることなく、結果を出すまで努力することの大切さを教えました。 そして彼は、様々な事業において『何よりも得難いのは信頼である。進歩とは、厚い信頼でできた巣の中ですくすく育つのだ』とも述べています。 私は、本日申し上げました政策を推進するに当たり、どんな困難があろうとも、諦めずに全力で結果を出す努力をしてまいります。そして、活力ある日本、世界に貢献する日本へと進歩するためにも、進歩を育む信頼という巣を、国民と行政、国民と政治の間につくってまいりたいと思います。国民の皆様のご理解とご協力を切に望むものであります」(2008/1/18の福田首相の施政方針演説(参考(全文):http://www.kantei.go.jp/jp/hukudaspeech/2008/01/18housin.html)から)
 
 ちなみに福田首相の施政方針演説の中にも「東北人」の話が出てくる。もしも福田首相が困難なことに挫折しそうになっている誰かに対して「どんな時も決して諦めることなく、結果を出すまで努力することの大切さ」を伝えて励ましたかったのだとしたら、それはいったい誰の何についての話だったのだろうか。福田首相には「どんな時も決して諦めることなく、結果を出すまで努力することの大切さ」を伝えたい誰かがいたのかどうかなどということは「屈折率の高さ」のために残念ながらよく分からない。
 
 「(前略)…なんか、自民党の大会で、あの、総理は、なんか36回、国民のために、国民のために、国民の生活を守るために、と言うたということを聞いたんですが、本当ですか。あ、本当…。あのとき私は…、あの、子どもの頃、母親に教えられたこと、思い出したんです。あの、『恒三、おカネ借りに来たとき、必ず返す、必ず返すって何遍も言う人は危ねえから気をつけろ』(→場内爆笑)。その後…、あなたの発言を見てるともう…、野党の皆さんと話し合いをしましょう、話をしましょう、話をしましょう…。これは民主主義の社会ですから当然のことです。当然のことをまた、毎日毎日しゃべったら、これ、どうなるのかなあと思ったら、あなたのやったことは…(後略)」(2008/2/8の衆院予算委における民主党の渡部恒三最高顧問の質疑(発言)から)
 
 そう言えばこの人も「しょうがないおじさん」の一人である(→参考:2008/1/3号)。なるほど「国民の生活が第一。」「国民の生活が第一。」とか、「必ず政権交代を実現する」「必ず政権交代を実現する」などと何遍も言うような政治家たちは危ないから気を付けなければならないということなのだろう。だが、本当にそういうことで良いのだろうか? 「しょうがないおじさん」の質問はあまりにも「屈折率」が高くて何がなんだかよく分からなくなってくる。「印籠」や「起き上がり小法師」などの「お宝グッズ」が出てきたり、「おかしいなあ。そんなはずないんだけどなあ」などという声が聞こえてきたらますます訳が分からなくなってしまうからその前に強引に局面を転換しておくことにしよう。「しょうがないおじさんたち」には本当に困ったものである。


「サル」でも分かる「ねじれ国会」(2008/2/14) (1/6)
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「サル」でも分かる「ねじれ国会」(2008/2/14) (4/6)
「サル」でも分かる「ねじれ国会」(2008/2/14) (5/6)
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