ポイント&コメント(2006年10月) (2006/10/30更新)

 「ポイント&コメント」は政治・経済などの重要ニュースの「ポイント(P)」「コメント(C)」だけに絞った超短信記事です。メール版は原則的に週刊、1メール当たり100字程度に編集して配信します。また不定期でコラム「映像のないワイドショー」も配信します(→参考:永田町ワイドショー)。

 政治の究極目標は「将来の世代を含めた一人ひとりの生命などを守ること」であると考えています。そしてその目的を達成するためには「ミクロ」「マクロ」、「過去」「未来」、「メリット(プラス)」「デメリット(マイナス)」などという複数の視点によって目の前の深刻な問題を相対化することが必要だと考えています。

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○ポイント&コメント(2006/9/25-2006/10/1) (P=ポイント、C=コメント)

 ▽中国・上海市トップ解任(9/25)、クーデターのタイで暫定首相指名・暫定憲法公布(10/1)、など(P:国際基準、C:どの国でも腐敗は撲滅対象。腐敗撲滅、基本的人権などはある意味で国際基準。もちろん欧米基準と国際基準は同じものではないが、「アジア的価値観」なるものは犯罪や腐敗や人権蹂躙の言い訳にはならない。そして「アジア的価値観」と同じように「国家主権」もまた人権蹂躙や核・ミサイル開発の言い訳にすることはできないはず)。

 ▽小泉内閣総辞職・安倍晋三内閣発足(9/26)、初の所信表明演説(9/29)、民主の小沢代表は再選直後に検査入院(9/25)(P:カタカナ、C:新内閣は「美しい国創り内閣」というよりも「カタカナ内閣」。誰の目にも明らかな小泉前首相との違いはカタカナ語の多さ。安倍首相は代表質問の再質問でも丁寧に答弁してさらに前首相との違いを示すことができるのか。何にしても多くの「結果」が出るのはまだ先の話。小沢代表は首相指名には一時退院して出席。代表質問は見送りに。だがCMやポスターではいつも元気)。


○ポイント&コメント(2006/10/2-2006/10/8) (P=ポイント、C=コメント)

 ▽国連次期事務総長に韓国・潘基文外交通商相が内定(10/3)、北朝鮮核実験予告(10/3)、そして国連安保理が対北朝鮮警告などの議長声明を全会一致で採択(10/7)、イラン・アザデガン油田日本側権益大幅縮小(10/6)、など(P:相互関連は?、C:北朝鮮の核実験予告はいつもの「瀬戸際外交」の繰り返し。だが、もちろんそれだけとは限らない。そして予告と最近の国際社会での動きとの関連も気になる。特にイラン核問題との相互関連はあるのか)。

 ▽安倍首相の所信表明演説に対する代表質問(10/2-4)、衆院予算委(10/5-6)、小沢民主代表退院(10/5)、「一票の格差」で最高裁合憲判断(10/4)、安倍首相は日中首脳会談(10/8)、そして日韓首脳会談(10/9)へ(P:実質は?、C:安倍首相は代表質問では「朗読」、予算委では「安全運転」。日中は「戦略的互恵関係」の構築などで合意。首脳会談は実現するだけでも成果だが、形式だけではなく実質でも成果を積み増していく必要がある。ちなみに何事も問題になるのは形式よりも実質。最近は「実質」がどうなっているのか気になることが増えている)。


○ポイント&コメント(2006/10/9-2006/10/15) (P=ポイント、C=コメント)

 ▽北朝鮮が地下核実験実施を発表(10/9)、日本独自の対北朝鮮追加制裁決定(10/11)、国連総会で韓国・潘基文外交通商相が次期事務総長に決定(10/13)、国連安保理は対北朝鮮制裁決議を全会一致で採択(10/15)、など(P:集団安全保障、C:度重なる説得や警告を無視して強行された核実験に国際社会は厳しい批判。北朝鮮は国際的孤立を深める。制裁は国連憲章第7章41条に基づく非軍事的措置。国連による集団安全保障が効果的に機能して「核ドミノ」を止めることができれば今度こそ新しい時代がやってくるのかもしれない)。

 ▽日中(10/8)・日韓(10/9)首脳会談間の北朝鮮核実験発表(10/9)を受けて衆院予算委(10/10)、参院予算委(10/11-13)、また教育再生会議設置(10/10)、衆院統一補選告示(10/10)、など(P:北朝鮮以外、C:政治関連ニュースも国会審議もかなりの部分が北朝鮮問題に「ジャック」されたような状態になっている。確かに北朝鮮問題は切迫した深刻な問題だが北朝鮮以外の問題がおろそかにされては困る。なお北朝鮮問題があってもなくても、「選挙区事情」が過大に結果を左右する補選では政局や参院選を占う「試金石」にはならない。もちろん2敗すれば2敗した方の党内は多少騒がしくなるのだろうが…)。


○ポイント&コメント(2006/10/16-2006/10/22) (P=ポイント、C=コメント)

 ▽北朝鮮核実験関連の動きが活発、米国のライス国務長官が日本(10/18-19)・韓国(10/19)・中国(10/20)・ロシア(10/21)を訪問、安倍首相・胡国家主席・プーチン大統領ら各国首脳に加え、北朝鮮を訪問して金正日総書記と会談(10/19)した中国・唐氏とも会談(10/20)など(P:地固まる、C:「雨降って」どころではなかったが、ミサイルが飛び、地下核実験実施を受け、ようやく国際社会の結束は強まり、認識の共有も進んだのは事実。国連の集団安全保障にとっては悪い話ばかりではなかった。ここからが大事)。

 ▽安倍首相と小沢民主代表の初対決となった党首討論(10/18)、安倍首相が北朝鮮核実験問題で来日したライス米国務長官と会談(10/19)・またソウルで日米韓外相会談(10/19)、衆院統一補選(10/22)は自民2勝・民主2敗に、など(P:限界、C:党首討論は派手な空騒ぎのない討論だった。補選は政局や参院選を占う「試金石」にはならない。そして大幅低下した投票率が興味深い。前回総選挙で小泉前首相を支持した「小泉新党」はほぼすべて棄権して消滅したということなのだろう。自民は「まだ2勝」と勝利の「限界」を知るべき。「まだ2敗」と強く思い込みたい民主は、無原則な反自公・非自公結集路線の「限界」に気づくかどうか。「限界」に気づかなければ政党としての「限界」が多くの国民にも見える)。


(NEW)○ポイント&コメント(2006/10/23-2006/10/29) (P=ポイント、C=コメント)

 ▽米財務省が偽ドル製造・流通への北朝鮮関与を正式確認(10/26)、北朝鮮の核実験実施関連の動きが活発、もちろんイラクの核問題も(P:原因と結果、C:北朝鮮の核実験実施という「原因」があったから国連の経済制裁という「結果」が出た。そして偽ドルを含む北朝鮮の不法活動という「原因」があるから米国の金融制裁という「結果」が出てくる。北朝鮮は核開発に加え、不法活動も止めて「国家」にならなければならない。国際社会の中で「犯罪組織」が「安全保証」されることはない。そのことを間違いなく確実に北朝鮮に「学習」させる必要がある)。

 ▽東京地検特捜部が福島県前知事を収賄容疑で逮捕(10/23)、郵政民営化造反組の自民復党問題、高校履修漏れ・いじめ問題などでも波紋は広がる(P:規範意識の問題、C:復党・履修漏れ・いじめなどは規範意識という共通の問題として捉えることができるのかもしれない。復党には小泉自民が総選挙で掲げた全政策の推進への協力と最低限の「けじめ」が必要になるはず。そうしなければ安倍内閣の「正統性」の問題にも発展する。選挙は、落選すれば「ただの人」になるからではなく、議員が全国民の「代表」だという意味で重要なはず。どうも永田町周辺に長くいると規範意識が低下していくらしい。教育問題を議論すればするほど、永田町周辺の規範意識の低下を問題にせざるを得なくなってくる)。


○ポイント&コメント・コラム「映像のないワイドショー」

「出世魚」(2006/10/1)

 新内閣は「カタカナ内閣」。「カタカナ」の多さは前首相との最も分かりやすい違いの一つ。さらに言えば、新内閣は「サークル内閣」。内閣の中に仲間がたくさんいてなんか楽しそうだから。ちなみに「同好会内閣」とあえて呼ばないのは、カタカナ好きの安倍内閣を少し意識してみただけの話。もちろん「カタカナ内閣」でも、「サークル内閣」でも、評価できる「結果」を出せば「同志内閣」に「出世」することもできる。安倍内閣は「出世魚」なのか? それともただの…。


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